「花よりもなほ」

有楽町・丸の内ピカデリー2で鑑賞。剣術がからきし駄目な侍が、仇討ちに四苦八苦する一風変わった時代劇。

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 まず、雰囲気作りが抜群に巧い。子供達の表情が自然。スタッフの現場の切り盛りが巧いんだろうなぁ。

 ちょっと普通の時代劇とは違ったアプローチをしてますね。主人公がとにかく弱い。ボロ長屋の住人に「よ、弱ぇ…」とか言われる侍って一体…。金子が無くなって、寺子屋で字を教えて生計を立てる、ってのがこれまた面白い設定。

 長屋の住人がクセがありつつも憎めない連中ばかりで、観てて気分がよいです。特に古田新太、この人は居るだけで面白いんだけど、主人公(岡田准一)とのやりとりで何度もニヤリとさせてくれました。

 宮沢りえは凛とした…という役ではなくて、今回はちょっとトボケ気味でした。この人、年と共になんか格が出てきたような感じがしますよね。貴乃花と結婚しなくて良かったよね(話題古すぎ)。

 ほのぼの楽しいだけではなく、復讐の連鎖について考えさせられたり、なかなか深い映画になってます。

 最後はちょっと強引な気がしたけど、実際の史実(赤穂四十七士の討ち入り)と話をリンクさせているのはお見事。

 私は是枝裕和監督のファンなので観ましたけど、何の予備知識無くても幅広く楽しめると思う。かなりお勧めです。