「ブレイキング・ニュース」

 ちょっと大きな本屋で調べ物をしたかったので、渋谷に出かけました。

 ついでといっては何ですが、映画「ブレイキング・ニュース」を鑑賞。ユーロスペースが改装されて、「シアターN」っていう名前になってました。「ユーロスペース」自体は別の場所に移転するのね。ややこしいな…。

 改装されて入り口周辺は綺麗になりましたが、広さとかは旧ユーロスペースのまま。まぁ仕方ないですが。

 さて映画の方ですが…。

 本土(中国)帰りの銀行強盗と、彼らを捕らえる瞬間を生放送して、信頼回復を図る警察との攻防を描いた香港映画。「ブレイキング・ニュース」は「ニュース速報」みたいな意味らしいです。
http://www.breakingnews.jp/

 なんというか、全ての登場人物とエピソードが有機的に繋がっていく中身の濃い映画。前作「PTU」と同様に、今年観た中でベスト5には入るでしょう。91分という短い時間に、様々な角度から見たウピソードが凝縮されてます。

 冒頭の銃撃戦、じっくり撮るなぁと思っていたら、1カット7分もの長回しだったようで(後からパンフレット見て気がつきました)。凝りながらもクドさは感じない演出は流石。とにかくラストまでアッという間です。

 犯人が立てこもったマンションの一室に、(元々事件とは関係ない)殺し屋が逃げ込んできて、犯人・殺し屋・人質親子、という三組が食事をするシーンが小粋で良かった。人質のオッサンが料理ができず、犯人と殺し屋が料理するって言うシチュエーションがツボでした。

 自分達に都合の良い映像しか出さない警察に対して、ネットと携帯を使ってその嘘を暴く映像を流す犯人側。今の時代、権力を使ってももはや嘘はつけないってことですやね。その分、見る側は真偽を計る判断力が必要ですけど。

 で、警察側を掌握していたケリー・チャンは決して悪くないんですが、個人的にはちょいイマイチでした。もっと計算高い感じ(悪どさ)が出ていた方が良かったかも。

 お気に入りは、チョン警部補の相棒で、すぐに腹を下すオッサン(この人パンフにも載ってないので誰か分からず…)。どうしても鶴瓶に見えて仕方なかったけど(^^;

 ジョニー・トー監督の「ザ・ミッション 非情の掟」「PTU」とこの作品は、映画好きなら機会があれば見ておくべきでしょう。お勧めです。