「シンデレラマン」

 昨日の一本目。世界恐慌の時代、奇跡的なカムバックを果たし「シンデレラマン」と呼ばれた実在のボクサーを描いた映画。主演は何かとお騒がせなラッセル・クロウと、元ブリジットなのが信じられないレネー・セルヴィガー。監督はロン・ハワード

http://www.movies.co.jp/cinderellaman/

 世界恐慌の時代、一般市民の生活の貧窮っぷりは、ぬるま湯生活をしているジャップには想像できないモノがありますね。ボクシングで名を馳せた主人公も、極貧の生活を送ることになり、ついには自分を引退に追い込んだボクシング協会に施しを受けることに。プライドより家族の生活を取る姿に涙。

 その姿を見た彼の元マネージャーが、一夜限りの試合を組んた事から物語は大きく動いていきます。というか、ストーリーの大筋は最初から見えているんだけど、俳優の演技と演出で凄い映画になってしまうのだなと。ごく当たり前のことを再認識した次第。

 スパスパとシーンを切り替えていく編集の巧みさが素晴らしい。冒頭、羽振りの良い所を見せていると思えば、一瞬で恐慌後の極貧生活に切り替わっているとか。復帰後の二戦目と三戦目を繋げて見せたりとか。あと、パンチの瞬間フラッシュが焚かれる表現が気持ち良かった。この辺りスタッフの円熟味を感じます。試合シーンはかなり燃えますよ。

 マネージャ役のポール・ジアマッティがとにかく良いです。プロモーターと交渉する時、ハッタリをカマしつつ緊張で頬がビクビクしているのが好き。オスカーの助演男優とか取って欲しいなぁ。

 ラスト前とかも盛り上がるんだけど、序盤から中盤でさりげなく描かれる、奥さんとのツーカーな関係にちょっぴりあこがれますね。

 最近あまりない王道一直線の映画なので、安心してオススメできます。家族がいる人なら、また違った味わいがあるんじゃないかなと。