「運命じゃない人」感想

 ヤクザの軍資金である2000万円を巡る騒動を、5人の視点から描いた映画。アクションともコメディにも分類されない不思議な雰囲気で描かれます。渋谷のユーロスペースで鑑賞。昼の回なのにほぼ満員でした。

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 この映画、評判がかなり良いので気になっていたんです。確かにこの脚本、良くもまぁここまで詰めたなぁと思わせますね。最初の宮田編のどうでも良さそうなシーンが、後から他のメンバーの話を観ると、実はこんな繋がりがあった!という驚きの連発。

 宮田のマンションが軸になっているので、多くの人物がマンションに入っていくのですが、同じアングルで入ってくる人物がやたらと入れ替わるのが印象的。集中していないと「アレ?」ってなるかも。

 この2000万自体が実は…というのが話のキモなんですが、ヤクザ親分の、らしくないセコさが可笑しくも哀しくて良いです。

 宮田編で、真紀と間の抜けた間で会話をするのが気に入ってます。あと、神田の「30過ぎ人間に対してのお説教」がグサグサとココロに刺さるんです。…はぃ、夢見てないでもっと積極的に頑張ってみます…(何を?)

 いやはや、お金かけなくても面白い作品は作れるもんだね、ということを再認識させてくれる映画。今のところ今年のベスト3には入ってます。かなりオススメなんですが、特にザッピング系のアドベンチャーゲームなどが好きな人にはいいかも。

 パンフレットが欲しくなる内容だったので買おうと思ったら、売り切れ。でも、再入荷したら家まで郵送してくれるというので、申し込んでおきました。太っ腹だねユーロスペース、ちょっと見直したぞ。サンプルを観ていたら、時系列フローチャートやシナリオが収録されてたりして、かなりそそられました。読むのが楽しみ。