「探偵・癸生川凌介事件譚 仮面幻影殺人事件」感想

タイトル長いし難しい字ですが「きぶかわりょうすけ」と読みます。

ニンテンドーDSで発売された推理アドベンチャー。元々は携帯アプリで人気があったシリーズらしいです。携帯版は未プレイ。

探偵・癸生川凌介事件譚 仮面幻影殺人事件

探偵・癸生川凌介事件譚 仮面幻影殺人事件

とりあえずエンディングまで到達したので感想とか。最初のクリアまでは7〜8時間くらい。

微妙な感じのキャラデザイン、主人公が探偵ではなくゲームデザイナー、てことでそんなに期待はしてなかったんですが、予想以上に面白い!私はアドベンチャーには点が甘いんですが、それを差し引いても出来はいいのでは。

主人公・生王正生は、癸生川探偵事務所に立ち寄った際、助手の白鷺洲伊綱と共にオンラインゲーム「ミスティオンライン」をプレイする。このゲームは、探偵や刑事となってオンライン上の事件を解決するゲームだった。
プレイ中、ゲーム内で出会ったキャラクターが殺される。同時刻に、ゲームと同じシチュエーションの殺人事件が発生するが…。という感じの話。

癸生川凌介本人はほとんど出てこないので、ゲームは主人公と助手の伊綱で進めます。キャラクターは変な味付けがされていて独特。癸生川の奇天烈な言動は笑えます。

構成がなかなか凝ってますね。

現実世界とオンラインゲームを行き来して手がかりを集めていく序盤〜中盤は、ネット犯罪についての対応が中心。ネットゲーム未プレイの人にも、その功罪両面が伝わるストーリーになってます。不正アクセス禁止法は現行犯でしょっぴけるのか。思わずネットで調べてしまった。

後半は、過去に伊綱が関わっていた事件の回想と、現代の調査が交互に展開します。少年犯罪に焦点が移っていきますが、この辺は色々と考えさせられます。ドラマの「TEAM」みたいな雰囲気かな。

最後の大どんでん返しには絶句。ちょっと強引だけど、よくここまで話を練ったなという感じ。

システム自体はごくオーソドックスなコマンド選択式。例によってタッチペン操作なので楽です。バックログとメッセージスピード変更はできますが、スキップがないのは残念。
オンラインゲームの表示は上画面、現実の調査は下画面というのは、実際にオンラインゲームをやっている雰囲気が出ていて良いかも。

犯人の行動を細かく推理する箇所があったり、オンラインのキャラを操作していたリアルの人物を推理したり、それなりに頭もひねる必要があります。

個人的に気に入ったのは、ゲームやネットワークに対する風評、さらには犯罪に対する制作陣の考え方を、明確なメッセージとして盛り込んでいるところかな。
その代表が癸生川の「同じ動機を持っている人がいても、殺人をする人はする。しない人はしないんだ。」という台詞。他にも癸生川は、物事に対しての本質的な意見をズバスバと言ってくれるので気持ちいいです。

DSで推理アドベンチャー遊びたい人にはお勧めですかね。初クリア時の評価はBでした。ゲフー。

これまでのシリーズもまとめて発売されるといいなぁ。