プリンス&プリンセス「感想」

時代はフルCGとかモーションキャプチャーとか言ってるわけですが、そんな中現れた「影絵」のアニメーション作品。といっても作られたのは結構前なのですが。

題名の通り「王子と王女」を題材にした6編のオムニバス作品。といっても中には、太股で肋骨をへし折るパワーを持つ婆さん(!?)としがないコソ泥の話があったりするので、深く考えずに「影絵アニメ」作品として楽しむのが吉でしょう。

シンプルな黒を基調にした表現は、最近のアニメーションを見慣れた目には新鮮に映ります。古い手法だから劣っているというわけではなく、無駄を省いた表現はむしろ優れているのではないかと。

例えば物語の要所で「光」を使った演出があるのですが、周囲が影絵で描写されているからこそ、光の美しさがよりいっそう際立つ、といった具合。

6編どれも面白いですが、やはり最後の「プリンス&プリンセス」がお勧め。王子と王妃がキスをしていくと、お互いが様々な動物に変身していき、最後には…、といったお話。色々な動物に変化していく様が単純に面白いです。

私は未見ですが、「キリクと魔女」と同じ監督さんです。海外の短編アニメ・人形アニメ好きの人だけでなく、映像表現に興味のある人には広くお勧め。