小説「ラッキーワンダーボーイ」

 実家休憩中、久々に本読みました。

 任天堂出身のプログラマー、イタチ・アラキが作った伝説的ゲーム《ラッキーワンダーボーイ》。ほぼ到達不可能な隠しステージが用意されているというこのゲームの攻略に、アメリカのおたく青年アダムは青春のすべてを賭けた。恋も仕事も放り投げ、イタチが住むという日本の京都へと旅立ったのだが……はたして、幻のステージIIIに待ち受けるものとは?

ラッキー・ワンダー・ボーイ (ハヤカワ文庫 NV)

ラッキー・ワンダー・ボーイ (ハヤカワ文庫 NV)

 レトロゲームにかなり詳しくないと、出てくるゲームが架空のものか、実際に存在していたのか区別するのも困難でしょう。てことで、恐ろしく人を選ぶ小説。「パックマン」「ドンキーコング」あたりの有名どころから、「アステロイド」とか「ディフェンダー」あたりのタイトルも平然と浮かんでくるくらいでないと、細部が理解できなくて面白味半減かも。。ゲーム機だと「インテレビジョン」とか出てきます。

 レトロゲームがらみの薀蓄とか、ゲームプレイが現実世界に影響を及ぼす可能性とか、それなりに面白いです。主人公が「フロッガー」で車に轢かれる音を口真似したら、そこから愛が芽生えるとか。ありえません(笑)

 ゲーマーの感傷に訴えかける展開になるのかと思っていたら、後半はちょっと迷走気味。とあるシーンでドン引きしてしまいました…。ゲームカセットを曼荼羅上に並べて(自主規制)するなんて……。

 ラストも思ったよりアッサリと終わってしまい、ちょっと消化不良気味。まぁでも、個性的な小説なのは間違いないです。

 あとがきでこの小説の作者(ワイス,D.B.)が、映画「エンダーのゲーム」の脚色しているって書いてあったけど、映画っていつ公開されんのかね。製作のニュースも聞かないけど。