「地味系お勧めマンガ」

 さて、最近読んだマンガのお勧めでも書いてみます。今回は地味系でまとめてみました。地味なマンガの方が、逆に読後の印象が強かったりしませんか?私だけかもしれませんが。

「アンダーカレント」豊田徹也

 関口かなえは夫婦で風呂屋を営んでいた。だが、ある日いきなり主人が行方不明になってしまう。途方に暮れる中、風呂屋の手伝いに堀という男がやってくる。風呂屋の営業も再開し、それなりに平穏な日常が戻ってきた。だが、ある事件がきっかけでかなえの幼少の記憶が掘り起こされる…。

アンダーカレント  アフタヌーンKCDX

アンダーカレント アフタヌーンKCDX

 アフタヌーン連載中ではピンと来なかったけど、全体を通して読むとコマ一つに意味があることが分かって、深みを感じますね。こういうタイプの人は、連載だと不利だと思いますが。

 探偵がかなえに対して聞く「人を分かるってどんなことですか?」という台詞、重いです。探偵とカラオケしているシーンが一番好きだなぁ。あと、余韻の残る最終話の構成は素晴らしいです。探偵やら爺やら、脇役に味があるのも良いですね。

 たぶんそのうち映画化されるんだろうと思ってますが。実写化されたら誰が誰をやるのか、とか考えてみたり。

 店頭にないなぁと思っていたら、増刷決まったそうでちょっぴり嬉しい。目印は谷口ジローさんの推薦文です。


ファミリーレストラン雁須磨子

 雁須磨子さんは前から気になっていたのですが、ようやく読みました。

 ファミリーレストランの店員を中心に、ちょっぴりエロ、ちょっぴり哀愁、ちょっぴり嬉しい、そんな話が独特の浮遊感のあるタッチで描かれる。自分が読んだ最近の作品の中ではかなりのヒット。

ファミリーレストラン (F×COMICS)

ファミリーレストラン (F×COMICS)

 ファミリーレストランが「どうでもいい空間」ってのは言い得て妙だと思いました。でも、そのどうでも良い空間が心地良い時もあるんですよね〜。一番好きなのは「常連さん」を扱った話。全く見知らぬ人でもなければ、友達でもない、食べ物屋の「常連」ってどういうポジションなんでしょうかね。そんなことを考えました。

 「じかんはどんどんすぎてゆきます」も読みましたが、ひとまず「ファミリーレストラン」を推しておきます。


「おかえりピアニカ」衿沢世衣子

 結構前に、タケコプターのマンガを読んで、それが良かったのを覚えていたんです(ドラえもんひみつ道具をモチーフにした漫画を描くという企画)。それが収録されている単行本って事で買ってみました。他6本収録の短編集。

おかえりピアニカ (Cue comics)

おかえりピアニカ (Cue comics)

 黒田硫黄宇仁田ゆみを足したような作風ですが、デビューまもなくでこれだけ書けるのは凄いかも。ちょっとデキはばらつきがある感じですが、これも短編好きにはお勧め。

 お気に入りは、よしもとよしとも原作の「ファミリー・アフェア」と、微妙な姉妹の関係を綴った「明日の空に」。姉妹の心理を交互に描いて、うまく着地させているのが良かった。


 ふと思ったこと。mixi って凄いよなー。この3人のコミュニティがちゃんとあるし。ということで早速入りました。