「雲のむこう、約束の場所」感想

注・ネタバレってほどじゃないですが、多少内容に触れています。


珍しく、映画を封切り初日に観てしまった。しかも二本。どっちもアニメ映画ですな。

まずは、制作発表の時から期待していた「雲の向こう、約束の場所」。

場所は渋谷シネマライズシネマライズでアニメ映画かかかるのは初めてらしい。ちょっと意外。

さて、1本目を見るために9時過ぎに到着。上映は9時半から。……げげっ、もう並んでますね。1本目だったらそんなに早く行くこともないと思っていたけど、ちょっと考え甘かったか?結局二階席で見るハメに。それにしても、なんかいつものシネマライズと客層が違うね……あまり人のことは言えんけど。

予告なしの上映だったので、始まった時はまだ場内がざわついていたのだけど、最初の台詞で観客が静まり、否応なしに画面に引きつけられる。満員なのに、劇中はとても静かで、心地よい雰囲気で観られました。

序盤から中盤は、主人公達三人の中学時代が描かれる。このサユリのベタベタな台詞はちょっとどうだろう?と思いつつも、その美しすぎる風景の描写にはただただ引き込まれます。

カットが多いので、誰もが何かしら琴線に響く風景があるでしょう。私の場合、木造の駅の形が、地元のとある駅にソックリで、心に染みました。

後半、話の中では三年が過ぎるわけですが…三人は三角関係になるのかと思ってたけど、そうじゃなかったのね。タクヤとリエさんの関係がなにげに好印象。

序盤は風景を切り取って、単に繋ぎ合わせて見せていた印象だけど、終盤は各シーンの繋ぎが非常に凝っていて、より一層話に引き込まれましたね。特に三人の意識を一連の流れで魅せるシーンがあって、そこは痺れたなぁ。

ヴェラジーラが飛び立つシーンはやはり泣けます。ヴァイオリンも泣けます。他にもグッと来るシーンがいくつかあったんですが、ネタバレっぽいので書けません。

声優もちょっと心配だったけど、まぁ問題なかったかな。脇役の人たちも良い仕事です。

何よりこのクオリティで全編通したことが凄いし、見終わった後の淡い不思議な感動は忘れがたい。新海監督は(パンフにて)、日々常に風景を見ると感動してしまう、と語っていたけど、同じように風景に何かを感じる人なら観て損はないと思う。

ただ、あくまで叙情的な雰囲気を味わう映画であって、設定などの矛盾が気になる人には向かないかも。塔の建設理由だとか、南北の状況だとか、設定上の穴は色々あると思うので(個人的にはそんなことはどうでもよかったけど)。

舞台挨拶は新海監督と、音楽担当の天門さん。天門さんは二日酔いのようでした(^^;

公開中にもう一度観たいね。でも本館では二週間しか公開しないらしい。ちょっと勿体ない気がするなぁ。