「モーターサイクルダイアリーズ」感想


各所でやたらと評判がよいので、口コミに乗ってみるかと、恵比寿ガーデンプレイスで観てきました。平日 13:40 の回だというのに、ほとんど満席。むむ、やはり口コミ効果なのか。

革命の闘士チェ・ゲバラが若かりし頃(23歳)に、南米大陸を巡った旅の日々を描いたロードムービー

観る前、私のゲバラについての知識
キューバでなんか革命をしてた人
・昔ゲーセンにそんなゲームあったよね
という程度(我ながら教養無いなぁ)。ですが、この映画に登場するゲバラは等身大の23歳の青年として描かれているので、ヘンな予備知識は不要です。

もっと重い映画を想像していたけど、ゲバラと相棒アルベルトの珍道中はかなり笑わせてくれます。やや生真面目なゲバラとお調子者のあるアルベルト、この対比は絶妙。どのエピソードも面白いんですが、レストランで食事と宿をたかる下りが一番笑えたかな。

終盤では、土地を追い出された先住民、ハンセン氏病で隔離された人達らと触れ合うことによって、ゲバラの意識が変わっていく描写がとても自然。後に革命のカリスマになった意識の変化が自然と飲み込めます。

ロードムービーといえば出会いと別れ。ラストシーンを始めとして、人と人との別れも泣けるのですが、個人的には廃車になってしまったバイクを諦めるシーンがとても印象深いのです。

終わってから席を立つ人がいなかった。皆余韻に浸っていたのでしょう(当然私もそう)。今年観た中でもイチオシの映画です。

あと、パンフレットが力作!
主要キャスト、監督、アルベルト氏本人のインタビュー、旅の行程、全シナリオ・セリフ収録の素晴らしいデキでした。